壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

【水都百景録】州府ガイド(5)松江府

  • 概要
  • 上海(松江府)のあゆみ
  • 綿業の聖地として
    • 松江綿業の起源【黄道婆】
    • 綿業と農家の事情
    • 徽商がつなぐ綿産業
  • 塩政と徽州黄氏【塩屋】
  • 倭寇の海
  • 美術界の新局面【董其昌】
  • 名勝案内
    • 豫園
    • 上海城隍廟
    • 龍華寺
    • 南翔双塔
    • 泖塔
  • 参考文献

【シリーズ】
【水都百景録】州府ガイド(1)徽州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(2)蘇州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(3)揚州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(4)杭州府 - 壺中天

概要

上海を含む松江府は長江河口にあり、海運の発展と共に台頭した地域である。厳密にいうと「松江府史」と「上海史」は異なるが、ゲームで描かれる「松江府」は明確に上海市であるため上海を中心に記述をしていくこととする。

現在は国際的な大都市として名を轟かせる上海であるが、長大な中国史にあってその登場は遅い。陸地が形成されるのは唐代頃、上海の名が現れるのも「わずか」1000年前のことである。

上海という町は、他の江南の都市のように河川や大運河で発展した町ではない。上海の命運は常に海と共にあり、それ故に頭角を現すのも遅かったのだ。

長江や大運河など幹線水路から外れているのに注目。

以下、お決まりの地図解説。松江府のマップは上海市のうち黄浦江以西の、広い地域がデフォルメされている。大体城壁の内側が今の上海市中心部、その外が郊外のイメージである。

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【アジア】ハラールマート買い物日記(御徒町)

上野・御徒町と言えば新大久保や池袋と並ぶ代表的なアジアスポットである。アジアの中でも特に中華色が強く、中華食材店や火鍋や鉄鍋、羊料理の店が林立し、現地チェーン店もどんどん進出してきている。

しかし面白いのはそこだけではなない。ガチ中華地帯を離れて秋葉原方面に行くと、ハラールマーケットの集まる一角がある。

一言でいえば、インド情緒が色濃いエリアである。アメ横センタービルの地下では中国韓国、東南アジアの食材が中心で、豆やスパイス等のインド食材は(確か)売っていない。なので、ここに来るとまた違った異国情緒を味わえる。

インド食材と言えば、西葛西や大久保のイスラム横丁が有名だが、(自分には)ちょっと行くのが面倒な所にあるので、近所の御徒町で買えるのはとてもありがたい。

場所は御徒町南(秋葉原寄り)の高架線沿いで、近くには味坊グループの老酒舗や羊香味坊、南インド料理のアーンドラ・キッチンがある。

今回は写真の エウサ ハラールマート さんで買い物をしてきました。

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【水都百景録】州府ガイド(4)杭州府

  • 概要
  • 杭州の成り立ち
    • 銭塘江のゆりかご【~六朝
    • 最も憶うは 是れ杭州【隋・唐】
      • (1)杭州城と「西湖」の誕生
      • (2)大運河の開通
      • (3)杭州の六井
    • 百万の都【五代~南宋
      • 呉越の遺産
      • 臆病皇帝の安息地
    • 商都のにぎわい【元~清】
  • 西湖の美と三堤
    • 三堤と三名人
      • 白居易~西湖の美の「発見者」
      • 蘇軾~蘇堤、三潭、西施の名
      • 楊孟瑛~忘れられた功労者
    • 西湖十景
  • 杭州の物語
  • 名勝紹介
    • 断橋
    • 雷峰塔
    • 望湖亭
    • 湖心亭と湖中三島
    • ※新名勝(タップで展開)
  • 参考文献

【シリーズ】
【水都百景録】州府ガイド(1)徽州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(2)蘇州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(3)揚州府 - 壺中天

概要

「上に天堂あり、下に蘇杭あり」。古来、杭州は蘇州と共に地上の楽園と讃えられた。蘇州の美が水路と橋が織りなす水郷の美であるとしたら、杭州のそれは名勝・西湖が作り出す自然美と言えるだろう。

一方で杭州は中国有数の大都市でもあり、浙江省省都にも選ばれている。特に大運河が築かれた隋以降、大運河の南端・海にも近い地の利を生かし、商業や貿易で栄えてきた町でもあった。

ゲーム上のマップも西湖とその周辺の名勝がしっかり再現されている。以下、登場地名はこちらの地図を参照していただきたい。(緑の文字は「西湖十景」)

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【2018】ネパール旅行記3 鐘の音とクラクション

  • ボダナート2日目
    • 朝食と巡礼路の朝
    • 寺院探訪
    • ふたたび路地裏へ
    • 聖地to俗世
  • 苦戦のカトマンズ

前:ネパール旅行記2 ボダナートの夜
次:ネパール旅行記4 二大聖地を巡る
12/27 ボダナート・カトマンズ
ネパール旅行記その3。ボダナートを離れ、カトマンズ市内へ向かいます。

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【連載】土地神ずかん

最近1つプロジェクトを企画しています。その名も「土地神ずかん」

とはいえ何か大掛かりなことをやるわけではなく、今まで集めた土地神の写真を情報付きで整理して、9月のマカオ旅行で本格的な収集を決めたという、それだけです。

相変らずの独り相撲ですが、ちょっとでも土地神とその文化に興味を持ってくださる方がいたらうれしいです。

  • What's"土地神"?
  • 土地神とは
    • 土地神の地位
    • 土地神の職務
      • 1.霊魂の管理
      • 2.生者の監督
      • 3.訴訟の解決
  • 土地神のタイプ
    • 人間型(単体)
    • 人間型(夫婦)
    • 文字だけ型
    • 石ころ型
    • NOT土地神型
      • 寿老人タイプ
      • 包拯タイプ
    • 大所帯型
    • 天官賜福
  • 土地神以外の道端系神様
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【2018】ネパール旅行記2 ボダナートの夜


ネパールと聞いて思い浮かぶものといえば、ヒマラヤやイエティ、そしてこういう「目」のついたストゥーパ(仏塔)という人が多いのではと思う。

ネパールのシンボルともいうべきこの巨大なストゥーパを擁するのが、カトマンズ市の北西にある仏教聖地、ボダナートである。

今回の旅では、まずこのボダナートに一泊することになっていた。

  • 聖地に入場
  • ボダナートのストゥーパについて
  • 巡礼路でお買い物
  • 夕暮れのストゥーパ
  • 夜の巡礼路と夕食
    • 牛肉と水牛肉
    • 裏路地探検

前回:【2018】ネパール旅行記1 東京~カトマンズ - 壺中天
次回:【2018】ネパール旅行記3 鐘の音とクラクション - 壺中天

12月26日(2) ボダナート

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【水都百景録】州府ガイド(3)揚州府

  • 概要
  • 揚州のあゆみ
    • 争覇の丘【春秋~南北朝
    • 放蕩天子の南柯夢【隋】
    • どうせ死ぬなら揚州で【唐】
      • 大運河と漕運
      • 天下の両淮塩
      • 国際都市・揚州
      • 揚州十里の珠簾
    • 開花ふたたび【宋~清】
  • 大運河史話
    • 運河の成り立ち
    • 隋堤 垂楊三百里
    • 京杭運河の誕生
    • 運河か海か
  • 揚州の女性たち
    • 揚州美女の来歴
    • 揚州痩馬
    • 蘇州臙脂 揚州粉
  • 名勝案内
    • 文昌閣
    • 鈔関
    • 揚州の名井
  • 参考文献

【シリーズ】
【水都百景録】州府ガイド(1)徽州府 - 壺中天
【水都百景録】州府ガイド(2)蘇州府 - 壺中天

概要

揚州は作中に登場する町の中で唯一長江の北岸にあり、川を基準に考えると「江南」ではなく「淮南」の町である。

地図を見ると分かるように、海に近く、川や湖に囲まれた揚州は古くから水運や製塩によって富を蓄え、中国有数の経済都市として栄えた。またその富を背景に娯楽産業が発達し、風流才子や美女の行き交う華やかな歓楽地でもあった。

ゲーム上の揚州のマップは明代時点での城壁を再現している。中が仕切られているのは手前側の城壁が明代に増築されたためで、文昌閣のある奥が隋唐以来の旧城壁である。方角はマップ右上が北になる。

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