壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

煲仔飯の日々

最近煲仔飯にハマってます。

一言でいうと香港式炊き込みご飯
作り方はとてもシンプル。土鍋でご飯を炊いて、具をのせてまた炊いて、仕上げに醤油ダレを回しかけて出来上がり。
とにかく楽ちんで、しかも大層美味という優れモノで、最近は主食が煲仔飯と言ってもいいくらいには作り続けてる。

初めて香港で食べたのは、もう10年くらい前になります。
お店は北部九龍半島の、ナイトマーケットで有名な廟街近く。8月の熱帯夜、これを食べながらシンフォニー・オブ・ライツが始まるのを待っていた記憶がある。

写真をよくみたら24HKドルとある。今のレートだと500円くらいだけど、この時は1HK$13円くらいだったと思うから…え、安すぎない?

出てきたての写真はこちら。蓋のくぼみにちょこんと収まる卵が可愛い。

あつあつの出来立てに生卵を割り入れ、合わせ醤油を回し入れてがしがし混ぜながら食べる!(上の写真の、プラスチックボトルに入っているのがそれ)
この時食べたのは「窩蛋免治牛肉煲仔飯」という、シンプルな定番メニュー。免治はミンチのこと。いわゆるひき肉と言うより、こま切れ肉が入ってる感じですね。

んで、
ああいつぞやの香港で食べたアレは美味しかったなぁ、レストランで出てくるような広東料理じゃなくて現地のB級グルメだし、日本じゃ中々食べられないよなぁ…
と思っていたら最近は中華街やガチ中華エリア周辺など各所で香港系のお店が増えて、出会う機会が増えました。めでたい!
中華ポータルサイトの80Cさんでもレシピが紹介されていたので、たまに作っていましたね。
80c.jp

その時はなぜ「たまに」だったのかと言うと、美味しいけどちょっと手間がかかるという印象だったんです。
それが今回の旅行中、(高額デポジットのせいで)帰路にお金が余ったので香港空港の本屋でレシピ本を買ったところ、煲仔飯のレシピもいくつか載っているではないか。

そこで簡単なのから作ってみることにしたのですが、一番簡単な「窩蛋免治牛肉煲仔飯」がよりによってめちゃめちゃ美味しいんですよ。

作り方は本当に簡単。現地特有の食材も使いません。

①ひき肉に醤油とオイスターソースと砂糖で下味をつけ、コーンスターチ(片栗粉でもOKだと思う)と油でまとめる。

②ふたを開けたままお米を炊いて、水分がなくなってきたら①を載せる

③弱火で10分くらい炊き、卵を割り入れてもう5分(チキンラーメンみたいに、肉が固まる前に卵ポケットを作っておくと見栄えが良くなる)

④合わせ醤油を絡めていただく(醤油・砂糖・ごま油、鶏だし、あれば溜まり醤油)。

これだけです。
カリカリおこげと半熟卵と甘辛のタレと肉のうまみ!
「うまい」以外の語彙はないので是非一度作っていただきたい。本場式は牛ですが、豚ひき肉で作っても美味しいです。

お店で頼むと出てくるまで30分くらいかかりますが、することの多い家だと待ち時間があまり気にならないのもいいですね。

お米はジャポニカでもいいですが、私はジャスミンライスで作ってます。両方試してみましたが、インディカの方がおこげがパリパリになって食感がいいので。

手間も材料も簡単だから何度でも作れちゃうし、美味しいから何度でも食べられちゃう恐ろしい奴です…。

こちらは鶏肉の煲仔飯。生姜醤油に付け込んだ鶏肉を炒め、お米はにんにくのみじん切りと炒めてから炊く。
ひき肉よりも手間がかかりますが、味付けはタレに頼り気味な前者と違い、具にもご飯にもしっかり味と香りがついていて食欲をそそります。
冷めても脂っこくならず具がバラしやすいのでお弁当向きでもある。

大元のレシピでは「臘腸鶏煲仔飯」といって広東腸詰も入れるので、また深みのある味になるんだろうな。澳門の市場で腸詰も売ってたので欲しくなりましたが、肉は検疫に引っかかるから…。

上野や池袋の中華食材屋さんでパック詰めされていたものを見た気もするので、週末に覗いて来ようと思う。

鶏肉の煲仔飯というと、80Cさんでも紹介されていた干ししいたけと鶏肉の組み合わせがポピュラーのようです。これもまた食べたいなぁ。

他に排骨と豆鼓、鹹魚(塩漬け魚)、魚介の乾物、カエル(!!)などいかにも香港らしいレシピも載っていたから、色々チャレンジしてみたい。
魚介系を中心に、結構乾物を使ったメニューが多いのが異文化を感じて面白い。あと家庭料理本に普通にカエルのレシピが載ってるとかすごい…

ささやかだけど、幸福度が上がるなぁ。
好きなものだけ食べないように、気を付けないといけないけど。