壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

【水都百景録】二次漫画「La casa indemoniata」④(利瑪竇・徐光啓)

「悪魔の家」漫画第4回、完結編です。永遠に完成しないかと思われましたが、何とか年内に仕上げることが出来ました。正直ザ・ワールド過ぎて面白いかどうか自信がないですが、これだけ長編の漫画を無事に完結させたのは初めてのことなので、その点は自分をほめてあげてもいいのかな、と思います。

なお、今回はゲームに登場しない創作キャラクター(歴史上の人物)が登場するのでご注意ください。高校世界史に出てくるくらいの人物です。

第1回 「La casa indemoniata」①(利瑪竇・徐光啓)

第2回 「La casa indemoniata」②(利瑪竇・徐光啓)

第3回 「La casa indemoniata」③(利瑪竇・徐光啓)

 

 

 

 

 

 

 

【解説】

・カンバリク

元の都、大都(北京)のこと。テュルク語で「ハンの街」を意味する。

 

・IL MILIONE 

イタリア語で百万。マルコ・ポーロには「百万のマルコ」というあだ名がある。なんでも大袈裟に話して、よく「百万」という表現を使ったかららしい。『東方見聞録』自体がIL MILIONEと呼ばれることもある。ちなみにポーロの後ろにいるのはフビライです。

 

 

・モンテ・コルヴィーノ

中国を含むアジア伝道に功績を上げたフランチェスコ会の修道士。イタリア人。

13世紀末に元の都大都に入り、中国初のカトリック教会を設立。多くの信徒を獲得し、教皇庁は中国のキリスト教伝道を管轄するカンバリク教区を設置するに至った。

しかし元の滅亡や後継となる司教たちの数が足りなかったことで、中国でのカトリック信仰はいったん潰え、16世紀、リッチの入華によって復活することになる。

実際はリッチが中国に来る頃には、それまで中国にキリスト教が伝わっていたことすら忘れ去られていたそうです。マルコ・ポーロは中国を「カタイオ」と呼んでいましたが、この「カタイオ」とリッチの訪れた「チーナ」が同一の国という認識すらなかったとか。なので本来は、リッチはコルヴィーノのことを知らないはず。

ちなみに彼はマルコ・ポーロと同時代の人物ですが、面識はなかったようで残念。マルコ・ポーロの『東方見聞録』はゲーム中ではリッチの愛読書、人生を変えた本なので、その時代と繋げられたのは結構嬉しかったです。

ところで、コルヴィーノが北京に建てた教会の位置、必死に探したんだけど分からなかったなぁ…。そういう痕跡も全部なくなってしまったということか。

 

・「見えない世界」

①の5ページでリッチが話している内容を参照。序盤の二人の会話、結構結末の伏線になっています。悪魔=「鬼」=人の魂、とか。

ちなみに徐光啓キリスト教の来世や魂も信じているし、理屈が通って納得できれば何でも受け入れる柔軟さを持ってる人なので、そういう所を描けていたらと思います。

 

・誇り高い過失

徐光啓紹介文をお読みください。仕事も課題もブッチして誇り高い過失とかドヤってる啓ちゃんが私は大好きです。…史実の徐先生は仕事も翻訳もちゃんと両立させてたのよ…?