水都始めてからがんがん絵を描くようになって、結構上達してきた気がするので振り返ってみました。
一番の進化は色塗りが苦手でなくなったこと。そもそも何で色塗り下手だったのかといえば、今振り返ってみると以下につきます。
①色の選び方や光の原理が分かってなかった
②ソフトの各種機能やツールの使い方がわかってなかった
で、これを「センスの問題」だと思って勝手に諦めてた。
色塗り指南の本やweb講座を読んで知識付けたら、大分改善出来ました。本気で塗った作品だけいくつか取り上げて、見てみます。
【2021年8月】
水都以前に描いたカラーイラスト。中世ヨーロッパ史の漫画表紙絵です。この絵を起点として考えます。
この頃は塗った後もなんか下手だなぁと思ってました。今思い返すと原因は、
・色の選び方が下手=色相が単調
⇒一番はこれ。とくに陰影は下塗りの色を濃くしただけだったので、なんか画面がチープ。
・影のつけ方が結構適当=光源を意識してない、反射光等の知識もない
⇒光の当たり方、影のでき方をあまり考えずに塗ってた。それで見栄えが良ければいいけど残念ながら…。
・塗りの方向性も一貫してない
⇒アニメ塗り・ブラシ塗りっぽくしたいのか、水彩風を目指すのか、たぶんそれぞれの塗り方を自分でちゃんとわかってないので選択の余地もなく、中途半端だった。
この辺だと思う。その画面の単調さをぼかしやテクスチャで誤魔化そうとしてる感じがある。
んで、
【2022年9月】
水都初めてまた色塗り始めた頃。
①
②
この頃から、少しずつ「色が塗れる!」という実感が出てきた。この時は水都の作風に合わせて水墨ブラシツールで影を描く⇒薄墨でぼかす、というプロセスで色を塗ってて、その具合が結構綺麗に見えていたんですよ。
絵はまだアレですけど…
《できるようになったこと》
・色調補正で色相をずらすことを覚えた
⇒とくに陰影の表現が前より綺麗になった。最初の絵に比べると、上達した感はこれが一番大きいと思う。
【12月】
「人物含めた『景色』が書きたい!」と思い始めていた頃の絵。厚塗りっぽくしたいと思ったけどそのやり方が分からず、結果中途半端になってあまり気に入ってない。木が結構ひどいなぁ
《できるようになったこと》
・被写界深度っぽい表現を覚えた
⇒これはディテールの取捨選択が出来るようになったということでもあると思う。自分は完璧主義者っぽい悪癖があるんですが、それが絵を描くときにも顔を出して髪、服、背景とどのパーツを書くにも正確・精密に描かないと!と思いがちだった。遠景も描き込んだんですが、あえてぼかしてディテールを捨てた。ぼかす前と後見比べてすごく悩んだりしてましたね。
・石の質感など、背景を描く練習になった
⇒微妙だなと思うけど、描かなきゃうまくならないからこれでいい。
【2023年4月】
①
色塗り指南の本読んで、そこで紹介されていた水彩塗りの手順を試してみようと描いた絵。前より頭の中にあるものを形にできるようになった。しかしリスがブサイクでつらい 動物難しいなぁ
《できるようになったこと》
・水彩ブラシの使い方
⇒ようやくかよ!って感じ。今まで色が混ざるのが使いこなせなくて…。まだ色遣いが単調ですね。でもいい練習になりました。
・合成レイヤーの使い方
⇒陰影やハイライトをつける時に、乗算やハードライトレイヤーを使うようになった。
②
今のところの集大成です。「絵の外にも世界が広がってるのを感じるような作品が描きたい!」と思っていたので、その場にいるような気分になった、って言っていただけたのが滅茶苦茶嬉しかった。半周年の湖畔の絵に比べると、空気感や遠近感が感じられる画面が書けるようになったと思う。
でも芭蕉の木を見る限り、自然描写はまだまだ練習が必要だな…。
《できるようになったこと》
・背景が塗れるようになった
⇒イコール、質感が出せるようになった。使うべきツールが分かった、という感じ。
・空気遠近法の活用
⇒でも町の遠景はちょっと拙いと思うので、改善していきたい部分。
・天候を意識した色選び
時間帯や天気のシチュエーションによって色や光がどうなるか学んだ。この絵は晴れなので、服の影は青っぽい色で付けました。彩度も高め。
・差し色
⇒この絵でいうとピンクの旗。他に使われてない色を使ってアクセントをつけるというやつですね。ゲームにもある旗です。
・色域選択
⇒啓ちゃんの上着の赤みがかった影とか。
色数が増えると情報量が増えて上質な絵に見える(自分がすごいなと思うのもこういうタイプの絵)。でもとにかく自分は複雑な色遣いが苦手で、どうやって色を選べばいいか分からない。今回色域選択の使い方を知って、色調補正で周りとのバランスを見ながら置き換えることで少しこの問題を改善出来た。
うーん、2年前に比べて大分うまくなったと思う。
基本は本読んで勉強しました。絵を描く、特に色塗りって美的センスの問題だと思いがちだったけど、「ちゃんと学べば上達する」と学べたのが一番の成果。もっと早く気付けばよかったけど、それを気づかせてくれるような本なり講座なりに出会えなかったのもあると思う。
参考にさせていただいたのは主にこちらです。
ゾウノセ・藤ちょこ・角丸つぶら『東洋ファンタジー風景の描き方』ホビージャパン
これまでイラストメイキング本色々買ったんですけど、あまり詳しく書いてないので「技術や理屈を解説」というよりあくまで「メイキングを見る」という感じであまり参考にならなくて。これらの本は理論立てて解説してくれるので、「そういうことだったのか!」って初めて気づくことが沢山ありました。
いわゆるpixivとかでブクマ沢山もらえるような上手い人にはなれないけど、やっと中級者くらいにはなれたかなと思う。でも正直誰と比べてうまい下手とかじゃなくて、「こんな風景を絵にしたい」「こんな場面を描きたい」という願いを前よりずっと叶えられるようになったのが嬉しい。それをもっと理想に近づけられるように、これからも練習していきます。
次の課題は顔と人体表現だなぁ…結構歪むんです
というか今回生誕祭で袁氏たくさん描いて、ちゃんと人体描けないと駄目な奴だこれ、って思った。啓チャソは厚着だし筋肉もなさそうだしこの辺手抜きできる子なのです…