ねんどろいどどーる徐光啓(水都百景録)メイキング第2弾。ついに最大の難関・髪の毛にチャレンジです。
前回(服と小物作り)はこちらからどうぞ!
【1.頭巾を作る】
徐くんのかぶっている三角の頭巾は「儒巾」または「方巾」といって官僚未満の科挙合格者がかぶるものです。中国のサイトにリアルサイズの型紙があったのでそれをベースにしましたが、どーるに合わせるとなると色々調整が必要なので結局ほぼオリジナルの製法です。
最近中華モノ流行ってるし、ドール用儒巾の作り方が知りたいという方が出てくるかもわからない……ので、詳しめに記録しておきますw
(1)ベースを作る
かぶせた時に型崩れしないよう、厚手の布で作ります。頭回りをメジャーで測って、4㎝多めに長辺を取ります。
今回は頭囲15cmなので19×5cm弱で作成。これをまずは半分で折り、裁ほう上手で接着します。その後は頭巾の折り目部分作成。左右をそれぞれ1cmくらいとってM字型に折りこみます。広めにとるのは、厚い布だと接着剤をつける面積を広くした方が安定するからです。そして折った部分を接着。しっかり重しをして時間をかけるのがポイントです。くっつきました。上から見るとこんな感じ。
次に幅の調整。そのままだと頭頂部が広すぎてしまうのでもう一度折りこんで台形にします。今回は上辺5cm、下辺7cm。そして後ろに垂れる2条の帯も作って、それぞれ接着していきます。
(2)表面に貼る布を作る
さて、儒巾は△状になっていて後ろの部分に布が垂れている構造です。ただし厚手の布で作ると折り曲げることができないので、もう一枚薄手の布を頭巾の表面に張り付けていきます。布はダイソーで買った黒の端切れ。型紙を作って切り抜きました。表側には模様を描きます。元ネタは分かりませんが(たぶん幾何学原論)数学的図形と文章らしきもの。
ガンダムマーカーはプラモ作りやってた時に買ったのがまだまだ現役でした!感謝。
全部貼り付けて完成!
【2.髪を作る】
自作ねんどろどーるの最難関、髪の作成に入ります。素材はエポキシパテが良いと聞いたので、ウェーブ社の軽量・速乾性タイプのパテを購入。
かすたむヘッドに直接盛り付ける手段もありますが、今回は初めてなのでベースとなるパーツを手に入れ、改造させてもらうことにしました(;´・ω・)分け目4・6くらいで厳密に言うとちょっと違うのですが、すぐ&安価で手に入る物から選びました。
買ったのは髪だけなので解体はしていないけど、改造苦手な方やキャラが好きな方に悪いので原型と削り過程は省略します。
徐先生と言ったらとにかくおでこ、名前同様まばゆいおでこなので、ニッパーとデザインナイフでとにかく前髪カットしまくって広げました。
イメージとしては、断面を補修して前髪前面を増量(もっさり感の演出)、向かって右の癖っ毛を追加する感じで。
↓見本再掲
地味でイケてなくてもっさりですね!(誉めてる)
仕方ないんだ、オシャレに気を遣う暇があったら誰かのために考えて行動する人だから…(聞いてない)
さて、エポキシパテは主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使います。それぞれ同量を鋏で切り取ってこねこね。ものすごくべたべたするのでハンドクリームを塗ってやりましたが、すぐにべたついてきてしまって何度も塗りなおしました。メンソレータムやワセリン等を使っている方が多いみたいですね。
練りたてはとても伸びがいいです。とりあえず、大まかな形を作って重ねてみる。
これだけでもいいかなという気になりますが、やはりちゃんと作りたいので、重ねたりして陰影を作っていきます。
めんどくさがり屋で素手でやってるので、汚くてすみません(;´∀`)
今回使ったパテは結構乾きが早くて、1時間も経つと固まってきて成型が難しくなります。
固まってきたらデザインナイフで削って形を整えていきます。バッキバキ。
基本的には、納得いく出来になるまでパテを盛る⇒調整⇒盛る⇒のループです。かぶせてみました。やっぱり髪があると違う~!
でもいまいち、あのもっさり感が足りない。というわけで、前髪の生え際あたりをもっと盛り上げてみることにしました。
盛ってからやすり掛けして滑らかにしました。でも、削りたてのパキパキした断面の方が立体映えする気も…。断面を強調するように削って、最終的にはこうなりました。ところどころ元の色が見えてますが、やすり掛けで継ぎ目は滑らかになっているので、サフを塗ってしまえば問題ないと思います。
なお癖毛は2度折れて3代目…。扱いには細心の注意を払おうと思います。
頭頂から全体が見えるアングルで撮るため、キャンドルカップに入ってもらいましたが、いつものアンニュイ顔だとなんかいじめてるみたいな図になるのでドヤ顔Ver.
でもやっぱ…イマイチ似てない気がする…困り顔、眉毛もっと下の方が良かったかもな。
【3.髪を塗装する】
まずは下地となるサーフェイサーを塗布。名前の通り、表面を補修し整えてくれる効果があります。傷や段差も視認しやすくなるので、やすり掛けして整えていきます。
表面が滑らかになったらいよいよ色を載せます。使うのは缶スプレー。タミヤカラーの「リノリウム甲板色」を使用しました(こんなピンポイントな色があることに驚き)。見本よく見たらもっと濃い色してましたが、こげ茶系で色味が一番近いのがこれだったのです。エアブラシだと混色もできますが仕方なし…。
ついでに、着色に使った道具も写真に収めておきました。スポンジやすりと塗装スティック、これもモデラ―時代の遺産ですが滅茶苦茶助かりました。
最後にトップコートを吹いて完成です。後ろ髪は頭巾で隠れるので、塗装せずそのままにしました。
【4.小物追加】
そうそう、余ったパテでコンパスも作りましたよ。見本に近い形で作りましたが、指の間に挟めるよう開き具合を調整すればよかったか。
最初はちょうど持ってた黒鉄色で塗りましたが、色が暗すぎたのでシルバーに切り替え。細かい・塗装棒でつかみにくい(というか跡が残る)ので筆塗りで済ませます。小さい・細くて表面処理が大変なので、ガタガタですが私の腕ではこれが限界と開き直りました。
あとはベルトの十字架を追加。細かいですが、キリスト教徒である彼のアイデンティティを象徴するとても大事な箇所。緊張しながらアクリル絵の具で描き込みました。
これにてひとまず完成!
いろいろ彼の生涯と関わりそうなミニチュアを買ったので、次回は記念撮影しようと思います。