壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

【2018】黄山旅行記5 完結編


波乱万丈の黄山行も無事旅程を終え、帰国日を迎えた。

この日は上海で買い物をして帰国したのだけど、買い物やマッサージなど個人的な内容が多いので面白かったこと・おすすめのお店など要点だけ書いて、あとは黄山旅行のまとめをしておしまいにします。

前回:
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5日目 4/2 上海~帰国(16:55浦東空港~20:55成田着)

最終日のこと

人民広場駅:中華ファミマの点心


今回宿泊した金門大酒店の最寄り駅は地下鉄「人民広場」駅。地下にはお店がたくさん入っており、ファミマ、セブン、ミスドなど日系の店もいくつかある。

ファミマに寄ったけど中国だと蒸し物のメニューが豊富で、〇〇まん系のほかもち米シュウマイや花巻など本格的な点心が色々あった。スチーマーも日本のものの二倍はある!

中国では朝になると街中に屋台が出て、「出がけに朝食を買っていくor食べていく」人が多く、ビニール袋に入れた点心を持ち歩いている人も見かける。日本だとパン屋に寄る感覚だろうか?コンビニ点心の充実も、そういう昔ながらのライフスタイルに適した形なんだろう。

独自のプライベートブランドも展開していて、日本のファミマでは見かけないチョコレートを買った。

人民広場駅はたくさんの路線が通る乗換駅で利用者がとても多く、人波に流されるように歩いていた。利用したのが9:00頃だったので通勤の時間帯というのもあったんだと思う。

衡山路にて

この日ははじめて旧フランス租界の衡山路を訪れた。

目的は武康路のインテリアショップ「Platane」で買い物をすること。田子坊にも店舗があって初日に行ったんだけど、欲しかった品物がなかったのでこちらに当たってみようと思って。

このあたりは落ち着いた住宅街という感じで、品のいいお店や古い洋館(老房子と呼ばれる)が多い。イメージ的には横浜の山手とかに近い雰囲気。ただ、公開されている建物はあまりなく、文豪・巴金の旧居などごく一部しかない。

ロマンチックな雰囲気から、「ロミオのテラス」と言われている有名な窓。

一帯には街路樹としてプラタナスが植わっており、店名のPlataneというのはこれが由来だったのか。この辺りはフランス租界だけど、パリとかでも街路樹としてプラタナスが良く植えられているので、フランス人の好みなのかな。

雨なのが残念だけど……いや、雨なら雨なりのしっとりとした風情があって、散歩するのが楽しい地区だった。

「Platane」の先にある、エリアのランドマーク「武康大楼」。

ちなみに、欲しかったのはこの玉璧風の石とスタンド。ずっと気になっていたんだけど、合わせて350元くらいと意外と値が張るので中々決心がつかなかった。

石だけならもっと安く上がるんだけど、個性的なオブジェだからネットで探してもいい代用品がなく、結局純正品が一番ということになった。お気に入りの品。

おすすめマッサージ店「荷悦堂」

そのあとは徐家滙にあるマッサージ店の荷悦堂に向かった。サービスの良いマッサージ店で、以前も利用したお気に入りのお店だ。

ここの「サービスの良さ」は施術自体より+αのおもてなしで、時間帯やコースによっては食事もついている(牛肉麺とか中華系のほかにもメニュー豊富で、以前は日本式牛丼を食べて味も良かった)。

今回も足裏のみの短いコースだったが、甘いフルーツトマトのサービスがあり、小さいことだけどこういう+αがあるとまた行こうかな、という気持ちになるので商売上手だと思う。

豫園老街、そしてぎりぎりの空港へ

帰りの飛行機は16:55発だったので、ホテル出発は14:00頃を予定していた。マッサージが終わってまだ時間があるので豫園に向かって最後の買い物をする。目当ては豫園商場というより「上海老街」の工芸品。屯渓で買えなかった筆掛けがないか見に行くのが目的だった。

上海老街は豫園の南、方浜中路沿いにあったショッピングストリートで、レトロな街並みに骨董や伝統工芸系のお店や茶楼などが集まっている場所だった。

中国の伝統的なインテリアが好きなんだけど、ここには木の飾り棚や飾り台など、日常風景にちょこっと取り入れられる中華インテリア用品が多くて、「土産物店」がメインの豫園商場より贔屓にしていた。ものによってはこちらの方がお得に買えるし。(例えば、アンティークなハンガーが豫園だと180元、こっちだと85元だった)

…ただし、過去形で語っているように今では再開発のため封鎖されてしまい、写真は2020年だけど2024年現在はどうなっているか分からない。悲しい…。

この時は、何度か見かけて気になっていた金具屋さんに立ち寄った。アンティーク風のDIYパーツのお店。高かったらどうしようとしり込みしていたけど、クレジットカードが使えそうだったので強気になって。

お値段を聞いてみると、20cmくらいのチェスト飾り(↑)は300元。思っていたよりは安い。調子に乗って他にもこまごましたものを買い込んだ。

カード使えますよね?と聞いたら手数料がかかるのか「550元になっちゃうよ」と言われたけど〇〇payはもとより現金ないのでしょうがない。隣の翡翠屋さんの機械で決済し、品物を包んでもらう。店主さんがつけ方とかいろいろ動作をつけながら教えてくれた。

で、どうしたのかって?
……実はまだ手つかずで眠っている。日本で探すとアレンジできそうな形の家具が意外となくて。とくに中国のアンティーク家具は両開きのものが多いんだけど、それがない。カラーボックスに扉をつけるとか、1からDIYするしかないのか…

木彫りのお店を覗くと、屯渓で買いそびれ、探していた筆掛けも発見した。安いのだと40~60元だけど彫刻がシンプル。もう少し上質なのは180元(鶏翅木とあった)で少し迷ったけど、ここまで来てるしやっぱりいいものが欲しくて180元の方に。

他はミニチュア家具などがあり、こちらも180元くらいだった。こういうの、横浜中華街のお店で売ってたけど5桁したからまぁ安い。

ぎりぎり空港へ

調子に乗っていろいろ買い込んだら14:00目前!2日目みたいになったら困るし、早々に引き返してホテルに行き荷物を引き取った。

時間的に、地下鉄オンリーだと遅くなってしまいそうなのでリニア乗車に切り替える。リニアは15:00のやつに乗れ、なんとか2時間前を少し切った頃合いに浦東空港に到着できる。

しかしカウンターは混んでいて数十分並んだ。チケットを出してもらった時には搭乗開始の30分前くらいになってたので急いでね!と言われる。

出国審査に直行するも手荷物検査でさらに時間がかかり、搭乗ゲートまで行くとリムジンがいて、最終の乗客を回収するまでかなり長い間停まってた。結局飛行機についたのはだいたい出発10分前。無事に乗れはしたけどかなり焦った!やっぱり空港には早めに向かうに越したことはないな。

無事に終わったとはいえ、今回はいつも以上にトラブルの多い旅だった。とくに時間の使い方について、身をもって学んだ気がする。

黄山旅行総括

訪れた2018年当時の話なので注意。なので、あまり価格など具体的なことは書きません。

アクセス

屯渓まで

省外から訪れる場合は、基本的に「屯渓(トゥンシー)」という街が窓口になる。

公共交通機関の拠点であり、空港や黄山駅があり、ホテルや荷物預かりサービスも充実。新安江沿いの旧市街の辺りは、街並み自体も素敵なので立ち寄る価値はあると思う。

1.飛行機
北京や上海などの主要都市から屯渓の空港まで国内線が出ている。上海からなら1時間ほど。

2.バス
上海や杭州のバスターミナルから屯渓or黄山風景区(湯口)行きのバスが出ている。今回は杭州の西バスターミナルからバスに乗り、3時間半ほどで屯渓に到着した。

この時は虹橋空港で飛行機に乗り損ね、そこからの移動だったから杭州を経由したけど上海の各ターミナルからもバスが出ているようだ。所要時間は5時間半くらい。

……というか、虹橋駅から黄山北駅まで電車も出ているはずなんだけど窓口では「ない」と言われてしまったのが今でも謎。「黄山まで」と言ったから、「黄山北駅」って言わなきゃいけなかったんだろうか。

黄山までの移動


屯渓から黄山風景区まではバスでいくつかの行程を経る必要があり、
①屯渓バスターミナル

②湯口(

③エコバスで黄山ロープウェイ乗り場へ移動

という流れになる。

※湯口にはビジターセンター兼バスターミナル(旅客集散中心)があるが、今回屯渓のターミナルから乗ったバスは湯口のバスターミナルには行かず、謎の街頭で下ろされてしまったので注意(中国ではよくあること)。

今回はタクシーを捕まえたが、今だと流しのタクシーは全然つかまらないというから、ネット環境とアプリがあった方がいいのだろうか。面倒だな……。


参考までに、旅客集散中心の時刻表(湯口から出るバス)。6年前のやつだから今は変わっていると思うけど。この時はここから宏村行きのバスに乗った。もう一つの古鎮・西逓や徽州古城のある歙県にもバスが出ているが本数は少ない。

山上へのアクセスと準備

黄山には徒歩で登ることもロープウェイで登ることも可能。ルートは4つ(雲谷、玉屏、太平、西海)あるので宿泊場所や見学地に合わせて窓口を決めることになる。今回自分が利用したのは東の雲谷ロープウェイと北の太平ロープウェイ。

山上の道は舗装されており歩道や階段があるので、普通のスニーカーでも快適に歩ける。トレッキングシューズ等の準備は必要ない。普段山には全然行かない自分が何も困らなかった。

宿泊

宿選びは旅の目的による。黄山は「黄山風景区」として入場料が必要&ロープウェイの運行時間も限られているので(8:00~17:00頃。季節によって異なる)、朝日などを見るなら山上に宿をとる必要がある。

(1)黄山の上に泊まる
いくつかホテルがあるが基本割高。これは本文で何度も書いたけど、物資の運搬を人力でやっており経費が掛かるから。

ホテルはわりと数があるので、すぐ埋まってしまうというほどではないと思う。今回泊まった北海賓館は、設備もよかったしご飯も美味しかった。高いけどそれだけのサービスは提供されていると思う。マッサージもあったので、歩き疲れた時に有難い。

または、北海賓館前にテント泊していた集団もいたのでそういう選択肢もある?と思ったけど、どこでも好きに、というわけにはいかないだろうから所定の場所で、予め申し込む必要はあるんだろう。

(2)屯渓に泊まる

利点は他の町とのアクセスが便利な点。屯渓老街や新安江など見どころはいくつかあって、綺麗な所だけど黄山風景区までは距離があるので、あくまで黄山観光が目的の場合は、飛行機やバスのタイミングによっては湯口まで移動して泊まった方がいいかもしれない。

飛行機の時刻などに合わせて「つなぎに泊まる場所」という感じ。

(3)湯口に泊まる

湯口は黄山ふもとの町。バスターミナルがある黄山の交通拠点で、宏村や西逓などの安徽古鎮にもアクセスできる。黄山古道など山周囲の見どころにもアクセスしやすく、名前の通り温泉もあるので滞在には結構いい所かもしれない。

入山料と途中下山

黄山には「入場料」がいるので、黄山に宿をとると出られなくなるのかというとそうではない。黄山古道の記事で書いた通り、証明があれば出入りできるので入場券をちゃんと携帯し、窓口で説明すればなんとかなる。

世界的な観光地だけど、どれだけ英語が通じるかは分からない(予想に反して北海賓館は微妙だった)。最悪、窓口で QRコードで入場の時の写真も撮っているので入場記録はシステムの方が証明してくれる。

荷物預かりと準備

黄山に宿泊する場合、スーツケースは持っていけない……少なくとも持って行きづらいので、ふもとで荷物を預けることになる。

ふもとに宿をとっているならそこで預ければいいので問題ない。そうでない場合も屯渓などで荷物預かり(行李寄存)のサービスをやっているので探してみれば見つかるはず。(向こうもどうせ慣れている)

特別な持ち物については…黄山の上にはレストランもあるが基本物価が高いので、節約したい場合はカップラーメンやアルファ米などの携帯食があるといいと思う。今回は私もいくつか持ち込んだ。

ただ北海賓館は食事が美味しく、結局半分くらいしか食べなかったけど。

黄山旅行記は以上。情報が古くて申し訳ないけど、お茶会詐欺?にご用心とか穴場の黄山古道紹介とか、今でも使える内容もあると思うのでお楽しみいただけたら幸いです。

次回は…来年頭にマレーシア行きが決まったので、1回目のマレーシア旅行記を消化しちゃおうと思います。

バックナンバー

くれぐれも、初対面の人にホイホイついて行かないように…
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屯渓から山上へのアクセス
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マイナーだけど美しい、穴場の黄山古道
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田園風景と古鎮、知られざる安徽省の魅力。※平日に限る
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