壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

【2018】黄山旅行記1 黄山修羅場道中


しばしば「山水画の世界」と言われる黄山。雲海たなびく深山幽谷は、「中国」と聞いてイメージされる代表的な風景の一つだろう。

中国好きとしてはずっと憧れており、特に好きになったきっかけが『封神演義』(フジリュー版)で、漫画の背景にも切り立った黄山風の山がよく出てきたり、仙人や道教について色々調べたりもして、「リアル仙境」ともいうべき黄山には絶対にいつか行こうと思っていたのだ。

さて、黄山があるのは安徽省黄山の名前は有名でも、「安徽省」の名前は日本人にはあまり馴染みがないと思う。

しかし意外と中国史の中では重要な場所で、例えば曹操洪武帝朱元璋安徽省出身だし、中国.....だけでなく東アジアの伝統芸術に欠かせない筆・墨・紙・硯の「文房四宝」の名産地でもある。

さらに明・清代には中国全土の流通を担った大商人集団(新安商人)も輩出している。安徽省は中国の歴史、文化、経済――その発展の下地を築き上げた要地と言えるのだ。

さらに山がちで自然も綺麗な所なので、よくよく調べてみると黄山以外にもいろいろと見どころの多い所なのだが、当時の私は全然知らなかったし他の町との地理関係も良く分かっていなかった。とりあえず5日の日程で、上海経由で国内線を利用して黄山に向かうスケジュールを立てた。

3/29 東京~上海 上海
3/30 上海~屯渓 屯渓(空港のある町)
4/1 屯渓~黄山 黄山(山上)
4/2 黄山 黄山(山上)
4/3 黄山~上海 上海
4/4 上海~東京 -

しかし今回は旅程全体がぶっ壊れかけた大波乱があり、とても大変な旅だった。今回は主にそれについて書きます。

3/28 黄浦江の夜

まずは上海へ

飛行機は朝早いので5時台には出発した。幸い出発は羽田空港。チェックインは10分ほどで済み、フライトまでまだ1時間半はあるのではねだ日本橋をうろうろするも、早朝だからお店はほとんど閉まっている。

ゲートは141。遠いですよーとチェックインカウンターのお姉さんに念を押されたので早めに出国審査に向かった。言われたとおり、一番奥で時間がかかった。窓から見る東京は空気が白くかすんで視界が悪い。上海はどうだろうか。

飛行機の座席は4人掛けの左から2番目。他は全員おひとり様なので静かでいい。左は大柄な欧米人のおじちゃん(トイレ圧がかかるタイプ)、右側は乙女ゲーをプレイ中の中国女子、とインターナショナルな席。特に書くこともなく現地に着いた。

東京と同じく、上海も霞がかった晴れ模様。着陸から空港を出るまでは結構かかった。まず飛行機が停まるまで20分くらい。そこからさらにリムジンで10分くらい。中国の空港は広いからよくこのパターンに陥るけど、この時間が私はとても好きではない。

さらに今回は荷物もなかなか出てこず、税関にも並んで飛行機を降りてから総計1時間くらい。地下鉄での移動を考えていたけど、券売機がものすごい混んでいたのもあってリニアに切り替えた。

よく拠点にする豫園・南京東路あたりまでだと地下鉄は7元で圧倒的に安いんだけど1時間ほどかかる。

リニアの運賃は50元で地下鉄よりコストはかかるけど、なにせ最高時速430km、ぎゅんぎゅん飛ばして10分弱で終点の龍陽路駅へ着く。ここからまた地下鉄2号線に乗る必要はあるけど、上に比べて20分くらいはショートカットになる。

昔は成田に行くにもライナー乗らずに費用を取っていたけど、最近はお金で時間と快適さを買うようになったなと思う。今だったら龍陽路からホテルまでもタクシー乗ってしまうだろうな。

蘇州河と黄浦江

今日のホテルは外灘の北、黄浦江に面した「海鷗酒店The seagull on the Bund」。夜景を上から見たかったので川沿いのロケーションで宿を探したけど、この辺りは外資の高級ホテルが多くなかなか選択の余地がない。比較的安かったのがここだった(8000円くらい)。

最寄りの地下鉄駅は天潼路。10番線で南京東路の一つ先だ。いつも豫園周辺に宿をとるけど、南京東路以北にはあまり行かないから初めての場所になる。

ちなみに中国の地下鉄(当時)はエスカレーターやエレベーターがないことも多く、スーツケースを持っての移動は少し大変。さいわい天潼路駅はショッピングセンターの地下階につながっており、そこからエスカレーターに乗って地上に出た。

とにかく東に進めばいいことは分かっていたので、道路標識に東西南北の表記があるのはありがたい。川に沿って黄浦江方面に向かった。

当時は知らなかったがこれは蘇州河、かつての上海の母なる川・呉淞江(詳しくはこの記事で)だ。呉淞江はかつて今よりはるかに川幅の広い大河だったが、明代に土砂で河口が塞がってしまったため、黄浦江を拡張して水を流した結果川の大きさが逆転した、という歴史がある。そんな壮大な過去があったとは全く想像できないのどかさだ。

この辺りは昔租界だったところで、蘇州河と言うのもイギリス領事オールコック命名らしい。今でも写真に写っている郵政博物館のように「優秀建築」と書かれた歴史ある西洋風建築が多く残っている。川沿いも公園のように整備されており、春先は桜も咲いていて散歩に最適。

この日は天気が良く春らしい陽気……どころかちょっと暑いくらい。川沿いを下って行くと、ほどなく黄浦江との合流地点に出た。

これが両川の合流地点。蘇州河の最下流にある外白渡橋からの眺めで、この橋が「外灘」の北限だ。河口には水門があり、プールの仕切りみたいなブイがあって船の通行は出来ないように見える。足場の上にいる水色の物体は上海万博のマスコット・海宝君。8年たっても現役なのか放置されているのか。右にあるのが黄浦公園と人民なんとか記念塔。


右に見えるのが今回のホテル、海鷗酒店。黄浦公園の辺りは鴎もたくさん飛んでいたので、ホテル名はここから来ているんだろう。隣にはロシア国旗を掲げた洋館があって、これも何かしらの由緒がありそう。

クラシカルな洋風の調度品で統一された部屋は少し古い所もあったけど、広いしバスタブもあって設備はしっかりしている。

窓からの眺めはこんな感じ。左には東方明珠塔とかも見えるんだけど、角度的に撮影は上手くいかなかった。でも和平飯店とか外灘の全容は良く見える。リバービューにしてよかった。

キャッシュレスの洗礼

この日は田子坊で買い物をしたが、特に面白いこともないので割愛。個人的に、田子坊って毎回期待して行く割には収穫がなくて、わざわざめんどくさい乗り継ぎして行く甲斐がないんだよな(豫園を通る10号線、南京東路や陸家嘴を通る2号線などよく使う路線から外れている)。

昔はセレクトショップのesydragonや敷地のはずれにあるアンティーク風小物店(飾り棚をよく買った)が気に入っていたけどなくなってしまったし。

天潼路駅に戻って食事にした。初めてのマーラータンを食べ、口直しに香港スイーツ店で鶏蛋仔アイスを頼んだわけだけど……支払いの段になって、weixinやshifubaoは?という話になり、さっぱりわからずオロオロしていたら現金でお会計してくれた。

中国はキャッシュレス化が進んでいると、情報としては知っていたけど体験したのは初めてだった。現金でも払えるけど、ワンタッチ会計が当たり前な相手に対して、毎度毎度もたもた財布を開くのかと思うと居心地が悪いな、と思った。

アイスを食べながら、ホテルに戻る。この頃はもう西日が差していて、ホテルに戻った18時頃にはもうすぐ日没というころ合いだった。

浦東の夜景なら黄浦公園で

窓の景色で夜景は済まそうと思っていたけど、もったいないので三脚を持って外へ出、黄浦公園の辺りを散策した。いつもは豫園近くに宿をとっていたので、見慣れた浦東地区の夜景も印象が違う。

ちなみに黄浦公園の辺りはちょうど黄浦江が蛇行する地点なんだけど、だから建物の配置が散漫にならず、東方明珠塔を中心に山形を描くように構図が綺麗にまとまっている。個人的に、浦東地区の撮影にはお勧めの場所です。

黄浦公園から見る浦東地区

同じく外灘。ここからだと、洋館が建ち並ぶ様子が綺麗に撮れる

外白渡橋

それと、この辺は外灘の中でもあまり混雑していないので快適。人が集まる豫園や南京東路の辺りから外灘に出るとすごい人だけど、黄浦公園まで来ちゃうとそこまで人がいない。なのでそういう意味でも穴場だと思った。

そして…ここからが本記事の山場。

3/29 黄山修羅場道中

上海で一夜を明かし、この日は国内線で黄山の窓口となる町・屯渓に移動する予定だった。しかし結論から言うと飛行機に乗れなかった。

欠航したわけではなく、上海で詐欺?に遭って国内線に乗りそびれたのだった。結局無事黄山には着けたんだけど、その悪戦苦闘も今となっては珍体験談なので、馬鹿な奴だと笑いながら読んでいただきたい。

お茶会詐欺にご用心

8:30頃からのそのそ起きだし、荷造りをした。外を見ると、黄浦江は石炭を運ぶ船でにぎわっている。11時ころまで部屋にいようかと思ったけどもったいないし、蘇州河沿いの景色が気に入っていたので散歩に出た。

これが災いの始まりだった。


今日も上海はよく晴れていてあたたかく、花の多い川沿いはいい香りがする。自転車王国は今でも健在か、シェアタイプの自転車がびっしり停まっていた。花と建築を楽しみながら蘇州河沿いを上機嫌でうろうろしていると、

シャッター押してください、と女性に話しかけられた。

快く応じたところ「福建人?台湾人?」(※1)と話しかけられ、日本の桜はどこが綺麗?だとか仕事の話だとか色々な話題に及び、虹口(※2)はいいよ、と勧められ私は彼女についていくことになった。...というか、実は語学力不足で状況がよく呑み込めていなくて、これがやっぱり駄目だったと思う。

※1)日本語訛りは南方訛りに聞こえるらしい。事実、漢字の音読みは南方の発音に近く、例えば日本(ニッポン)は普通話だとリーベンだが広東語だとヤップン。福建の閩南語だとイップンみたいに聞こえた。歴史的にはこれが本来の中国語に近く、北京語に近い普通話は北方民族の発音の影響を受けているそうだ。
※2)外灘の北にあるエリアで。旧日本租界があったところ。

いいお茶屋さんがあるんだと虹口の店に連れていかれるがどうもしょぼそうな店構えだし、中も壁が汚なく薄暗く、場末感がある。しかも彼女は店の人と意思が通じ合ってそうな雰囲気があり、何か変な感じがした。

お店に入った時点で「そういえばガイドブックにお茶会詐欺って載ってたな」と思い出し警戒モードに入った。

一応飲み方を説明してくれたりお茶を買ってもらったりしたがそんな大したお茶ではなさそうだし、小さな茶杯で3杯飲んで298元(当時では約6000円)取られた。支払額は2人とも同じだったが相手は私にお茶を買ったはずなので同じになるのはおかしい。しかも飛行機に乗るんだからとせかしてようやく早く切り上げさせたのだった。彼女はその後もついてきたがホテル手前で分かれた。

あーー、やられた!!

ガイドブックに載っていた「お茶会詐欺」というのは、茶館に連れていかれ、高額な代金を払わされるというもの。しかし中国の達人である旅行社の知り合いに話しても、「お茶は高いものは高いから……」と判断がつかないようで、事実私も今でも判断がつかない。相手は名乗りもしたし。

ただ、杭州の茶館で龍井茶飲んだ時は44元、恨み節もあるだろうけど私の中では298元に値するような物であったとは思えなかった。

しかし、騙されたー!ってはっきりわかれば恨めてスッキリするものの、詐欺か否か判断のつかない程度の額を堅実にだまし取っていくわけで、巧妙でタチの悪い手法だと思う。

ちなみに、翌年また上海を訪れた際、早朝の外灘で女性に写真を撮ってほしいと声を掛けられ、朝食に誘われた。流れが似ていたのであれも同じ手口だったんだろうなと思う。もう2度とついていかん。

虹橋駅での苦闘

そしてここからが負のスパイラル。まず、飛行機の時間は13:15(虹橋空港発)。

地下鉄で空港を目指すがホテルを出たのが11:30頃、駅までは距離があり地下鉄に乗ったのは12:00頃。(この時点で間違っていた。急ぐならホテルからタクシーで行く以外にない。急ぐならお金惜しんでる場合じゃないというのに、お金をだまし取られたと思った直後にお金が使えなかったのかもしれない)

地下鉄10番線に乗り、虹橋空港に着いたのは12:40頃。ギリギリ間に合うか!?と思ってチェックインカウンターに行ったが、ゲートはもう閉まってて入れない、と無慈悲なお言葉。

しかも黄山には一日一便しか出ていない。パニックになりかけるが、来る前に読んだ旅名人ブックスの『黄山らくらく散歩』に杭州から行ける」と書いてあったのを思い出した。そして、虹橋空港の隣には虹橋駅があるではないか!

飛行機に乗れないならしょうがない。バスか電車で行けないか試してみることにした。地下通路を歩いて虹橋駅に向かった。

黄山には黄山駅があるのは知っていた。窓口で黄山駅行きの電車がないか聞いてみるが「没有」。杭州のチケットは?と言うと18:00頃発のを発行するという。

うーん……。そうなると今日中にホテルには行けそうにない。それは本当に困るので、航空券を手配してくれた旅行社の知り合い、以下S氏に電話して助けを求めた。

ちなみ海外ではホテルでしかネットにつながない主義なので、ローミングは最終手段(最近の中国ではこれも通用しなくなったがこの時はネット環境必須レベルではなかった)。しかも携帯のバッテリーは半分を切っていた。とにかく不安と焦燥感でいっぱい。日本語で通話しているので周りの耳目を集めて居心地も悪い。

調べてもらったら、杭州から屯渓行きのバスなら18:20まで出ているとのこと。上海のガイドブックで杭州から黄山風景区は15:10までと見た記憶があったのであきらめモードだったけど、よく見たらその上に屯渓は18:20までってちゃんと書いてあるしそもそもホテルは屯渓にある。パニック状態でとことんポンコツになっていたらしい。

やはりまずは杭州に行かなくては。でもさっきは夕方の便と言われたからもうないのでは…と思って、もういちど別の窓口に行き、杭州行きのチケットをと言うと14:50頃のが買えた。……あるんじゃん!最初の18時のチケット出そうとしたヤツは何だったんだよ!

とにかく、だいたい14:50発15:45杭州着。ゲートが空くのを待っている間にS氏が連絡をくれて、16:50と18:20のバスがあると教えてくれた。列車は定刻に発車。2年前、杭州にバスで行ったときに通った道路の横を走っているようで、見覚えのある道路標識や菜の花畑が懐かしい。こんな状況だけど、春の江南はやっぱりきれいだ。

今は携帯が命綱なので、充電用コンセントがあるのがありがたい。車内販売のサービスがありハーゲンダッツとかを売っていた。

杭州の救い主

定刻通り無事杭州駅に到着した。バスは杭州の西バスターミナルから出ているようだ。

タクシー乗り場に行くと長蛇の列。さいわい進みは早く、15分ほどでタクシーに乗れた。焦りが伝わったのか、運ちゃんに行き先を告げると「急ぐの?」と聞かれ、そうだというと高速に乗ってくれることになった。

杭州の道は結構混んでるし信号も多い。ターミナルまでは距離もあるのでそのままだとかなり時間がかか
ってしまいそうでハラハラ。

道すがら西湖の看板が見えたり呉山の楼閣が見えたりして、バスに乗れなかったら最悪杭州で3日過ごそうかなぁ...とそんなことまで考え始める。お金のことさえ考えなければ、それでもいいかと割と本心から思えるのが杭州の凄い所。

しかし、そんなプランBは不要だった。最終的に車は16:40ちょっとすぎにターミナルについた。63元だったけど、会計を早めるために3元おまけしてくれ、ターミナルの入口も教えてくれた。

急ぎバスターミナルの窓口へ行き屯渓と告げると、なんと16:50のバスに乗れることに!!出発5分前くらいだったので急ぎ手荷物+身分証(パスポート)チェックを受けてバスに乗り込む。中にはすでにたくさん人がいて、空席も3~4つくらいだったので本当にラッキーだった。

全て運ちゃんのおかげだ。色々機転を利かせてくれなかったら、夜遅くのバスに乗らなきゃいけなかったかもしれない。今でも本当に感謝している。

暗闇の中、安徽へ

杭州出発時はすでに日が傾いており、車窓を楽しむという雰囲気ではない。かといって、夜景が楽しめるような道行きでもない。安徽省は山に囲まれた内陸の省。一路西へ向かったバスはひたすら山の中を抜けていく。トンネルもたくさん抜けた。

バス自体は古いので座り心地はあまりよくない。特に私の座席はねじが緩んでるのか、車体が揺れると左右に動いてしまう。

途中一度トイレ休憩があり、割と大きなパーキングエリアで停まった。S氏に無事を報告すると、飛行機を乗りそこねるとEチケットが無効になってしまうので、再発行する必要があるそうだ。これまた別の不安=新しいEチケットを無事受け取れるか、が生じてしまった。大丈夫だと思うけど、確信がないから途端に不安に。

そして今日はろくなものを食べていないのであんまんを1つ買った。ほんとうはもっとちゃんとしたものが食べたかったけど、車内に持っていくわけにもいかなかった。

この時はまだ少し光があったけど、バスがまた発進してしばらくするとあたりが暗くなってきた。しかも高速、明かりがないから暗いし沿道の民家もほとんど電気ついてなくて、とにかく暗くて怖く不安が助長される。

Eチケット受け取れなかったらどうしようという不安、暗いバス内、安定しない座席による軽い酔いが重なってとにかく落ち着かない。ひたすら耐える時間だった。

3時間くらいすると「黄山市区」の標識が目に入った。明かりが増えてきて安心したのを覚えている。人里の明かりって、こんなに安心させてくれるのかと思った。市内は割と都会でホテルもたくさん。

一度停車して何人か下ろしたのち、中国バスあるあるの良く分からん路肩で降ろされる。

とはいえちゃんとタクシーが待ち構えていた。同じバスの乗客と乗合になり(これも中国では一般的)、お客は私ともう一人の女性、そして男性の計3人。男性は自宅に戻るらしく、女性はホテルまで。私も自分のホテルを伝えた。

タクシーのトランクにはベビーカーのようなものが入っていて、スーツケース3つは入れられない。どうするんだろうと思ったら、スーツケースを重ねた上にベビーカー(?)を載せ、トランク開けっ放しで走り出した!

「お行儀が良い」と「評判」なお国から来ると、こういう時にたいそうスカッとする。別に、マナーを守らないのがかっこいいとかではなく、「お行儀のよさ」なるものは空気やら同調圧力やら、そうしたものの産物でもあると思ってるから、そういうしがらみから自由になった感じがしてスカッとするのだ。

無事ホテルへ

予定よりだいぶ遅くなったけど、予約していた華山徽宴酒店に到着!ホテル周辺は明るく人通りも多く、ほっとした気分でチェックインに向かう。

ロビーには池があったり、磁器や古風な家具が飾ってあったり素敵な雰囲気。チェックインを済ませると、部屋に案内された。私の部屋は「度暇区(リゾートエリア)」にあり、エレベーターで5階に上がってさらにそこから野外の階段をのぼって...とかなり距離がある。

リゾートと銘打っているだけあって屋外のテラスでは琴の音を流していたりハンギングチェアがあったり風情があって素敵なんだけど、出入りはなかなかめんどくさい。

部屋に入って一息つき、wi-fiにつないでメールを確認。無事Eチケットを受け取れた。ここでどっと安心感におそわれ、ぐっと気分が軽くなる。というわけで、少し散策に出ることに。

ホテルには各地にテイクフリーのサービスコーナーがあり、テラスでお菓子とコーヒーをいただいた。波乱万丈の昼間が嘘のように穏やかなひと時。今日は暖かく、夜風が気持ちいい。

コーヒーは薄かったけど、お茶のシフォンケーキがものすごく美味しかった。

そのあとはホテルの外に出た。目的は散策とATM探し。屯渓は川沿いにある町で、素敵な橋がいくつもある。

これはバスの中から見て気になっていた屋根付きの橋(文峰橋)。

ホテルのすぐ前にもレンガ造りの橋があり(新安橋)、夜遅いけど多くの人が行き来していた。

川沿いの道をしばらく歩くと、骨董の店が並ぶ一画に出た。赤いランタンがともり素敵な雰囲気だ。道を曲がると、屯渓観光のメインストリートである「屯渓老街」に出る。もう夜21:00だというのにお店がやっていて人もたくさんいる。焼餅(名物)、お茶、木彫り(筆掛けや台座など)、文房四宝など実に中国らしいお土産が売られていてわくわくした。

屯渓にはまた戻ってくるし飛行機までの時間をここでつぶすことになるだろうから、今日は見るだけ。ATMの位置もチェックしたし、あまり長いはせず引き返した。

今日はS氏はもちろん、杭州の運転手さんに一番助けられたと思う。彼が飛ばしてくれたおかげで早めにホテルに入れたし。

終わってみれば、国内線で何不自由なく黄山に降り立つより大冒険で楽しかったかもしれない。終わってみればの感想で、道中は本当に泣きそう、どころか半泣きだったけど。

飛行機に乗れない⇒電車で行こうとすぐに切り替えて動けたのは、曲がりなりにも旅の経験値を積んでいたおかげかなと思っている。黄山の予習をしていたおかげで、すぐに杭州ルートが浮かんだのもあるし。
盛大にやらかしたけど、そこは自分を褒めてあげてもいいかなと思う。

助けてくださった皆さんには本当に、足を向けて寝られない。

一時はどうなることかと思ったけど、ここから先は予定通り。明日は黄山に登ります。
つづく