壺中天

歴史、旅行、ごはん、ゲームなどアジアなことを色々つづります。

【ごはん】「食彩雲南」で雲南省の名菜を味わう

パンダの町、上野。

アメ横を中心にアジア食材屋、各種アジア料理店、中国の現地チェーン店等ディープなお店が集い、最近は新大久保や池袋にも引けを取らない一大アジアスポットとなっている。

そんな上野の片隅、不忍池近くにある雲南料理のお店「食彩雲南を訪れた。

gateiyushima.owst.jp

雲南省とは…

東南アジアとの国境に近い南西部の省で、豊かな自然と少数民族が多いことで知られている。気候は温暖湿潤で、茶の栽培や稲作はこのエリアで始まった。いわばアジア文化の故郷ともいえる場所なのだ。お店は階段を上った2階にある。昔は別の中華屋だったなぁ。明るくこざっぱりとした店内。刺繍の椅子カバーや孔雀の飾りなど、インテリアも雲南風でいいぞいいぞ!

日曜だしマニアックなジャンルだし、お客さんはそれなりかな……とナメていたら、予約客も含めて次々人がやって来た。そして飛び交うのは全部中国語!上野周辺で中華を食べると、結構このパターンが多い。よいぞよいぞ。

お料理の方は、雲南らしいもの――普通の中華屋であまり見ないモノをいくつか頼んでみました。

名物その1、汽鍋鶏(鶏肉の薬膳スープ煮)。

鶏肉を素材の水分だけで5時間蒸し煮にして作る、手間暇かけた料理。この通り時間がかかるので、「一日15食限定」となっていた。あってよかった!!ぶつ切りにした骨付き肉は、ほろほろと柔らかい。味付けはシンプル。棗やクコの実、生姜など漢方薬のおダシが出ていて、いかにも体に優しい味わい。

陶器の入れ物に入っているのは調味料。醤油かな?特に癖のない味だった。

名物その2、過橋米線。湖に浮かぶ島で科挙の勉強をする夫のために、妻が生み出したといわれる名物料理。表面に鶏の油を垂らすことで、麺を冷まさないよう工夫したそうだ。お米の本場だけあって、麺はもちろんお米麺。

今回は雲南名物・キノコの米線を注文。橋をかたどった食器の上に、具材がずらり。キノコのほか、生肉とベーコン的なもの。珍しいキノコが多くて気になったんだけど、説明はしてもらえず残念。

とりあえず、白きくらげと冬虫夏草(真ん中にあるオレンジのモヤシみたいなやつ)、あとポルチーニ茸?分かったのはそれぐらいかな。

過橋米線はアツアツのスープと具を別々に運んできて、その場で混ぜて調理してもらう。ダシのきいたスープがおいしい。

その他、今回頼んでみた料理。

ジャガイモの雲南風ガレット。中華感も薬膳感もなくきわめてシンプル。でもシンプルだからこそ美味しいんだなこれが……。こちらは私のお気に入り、揚げナスの山椒風味。ナスのフリッターに塩と山椒で味付けして、揚げにんにくと唐辛子をまぶしてある……という感じ。山椒のピリッとした風味はあまり感じず、むしろにんにくの風味がきいていた印象。美味しかった!!

しかしガレットにしろ揚げナスにしろ、いかにもお酒が進みそうだけど、生憎お酒はてんで駄目なので、代わりに酸梅湯(漢方梅ジュース)を飲んでおりました。ほかにも漢方ドリンクの王老吉とか、現地らしい飲み物が色々。うむ、いい異国感。

さてさて、色々食べてみた感想としては、雲南料理は野菜やキノコを使ったシンプルな料理が多いようだった(なので、他の店にないもの…となるとシンプルな野菜料理になる)。一方で近所の四川省の影響を受けた真っ赤っ赤な料理もあり、アッサリめからハードなものまで、いろんな需要を満たせる懐の広いジャンルだった。

ちなみに…我々の隣の席に、なにやら思わせぶりな石鍋が。これは石鍋でスープと魚を蒸しあげて、具材を入れて食べる鍋料理「蒸気石鍋魚」。最近のお店の名物で、中国本土でも人気の料理らしい。

隣のお姉さん方が食べているのをチラチラ見ていたけど、鍋から蒸気が吹き上がったりと見栄えがするので、たしかにウケそうだ。

魚鍋ということで具材は海鮮が中心で、店内の水槽から新鮮な食材を選ぶことが出来る。しかし雲南省って内陸の省だよな?雲南料理?と不思議に思ったら、本来は川の幸を使うんだとか。なるほど~。

詳しくはこちらの記事にありました。

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