澳門レトロ街歩き
マカオで祀られている神様というと、まず第一に航海の女神である媽祖(天后)、商売繁盛の関帝(関羽)、魔と戦う少年武神・哪吒、そして地域の守り神として親しまれる土地神などが代表的だ。しかし他にも、マカオで広く信仰されている「ある神様」がいる。…
セナド広場・新馬路の南にある丘――通称「崗頂」はかつて磨盤山といった。磨盤とはひき臼のことなので、頂上が平らな四角い丘だったんだろう。実際この丘の上には教会、劇場、修道院など多くの施設が建てられており、さらに丘を取り巻く一帯にも西洋建築が密…
マカオには恋愛巷(戀愛巷)という小路がある。サンパウロ天主堂跡と南欧風建築のコラボに加えてロマンチックな名前で昔から人気の観光スポットだ。では何故「戀愛巷」というのか?この道を舞台に、一場のロマンスでもあったのか…と思うと実はそんな理由では…
マカオ、澳門、蓮城、濠江、「主の聖名の街」……。マカオは多くの名前を持つ町だ。ではその中で、一番古い名前は何かというと…「蠔鏡」というのがそれだ。蠔とは牡蠣のことで、名前の理由はもちろん、牡蠣がたくさん取れたから。中華料理に欠かせないオイスタ…
海際から聖アゴスティーニョ(オーガスチン)教会にかけての地域には、「夜呣街」や「夜呣里」など、「夜呣」と名前の付いた道がいくつかある。夜呣街のポルトガル名はRua do Gambõa。これらは18世紀のポルトガル商人・ガンボアに由来している。さらに19世紀…
営地大街に面する路地のひとつ、小新巷。内部は住宅や事務所が多めで、飲食店や生鮮食品店のある路地は衛生的な抵抗感がある……という人にも歩きやすい道だ。ここは結構宣伝に熱心で、庇山耶街側の門をはじめあちこちにポスターや案内が貼ってある。その内容…
下環街から聖ローレンス教会の辺りには煉瓦造りの古い建物がいくつか残っており、思いがけず見応えがある場所だ。特にこの辺りにある南巫圍、鳳仙圍、幻覺圍、六屋圍は「下環四圍」と合わせて呼ばれ、昔ながらの住居や生活の名残を今に伝えている。今回はそ…
マカオ半島中東部の紅街市から蓮渓廟にかけてのエリアに行くと、ポルトガル的な風情は鳴りを潜めるようになる。それも当然で、かつてこの辺りはポルトガル人居住区の外に位置する、郊外の田園地帯だったのだ。ポルトガル人街の城壁の外、マカオ半島の北部に…
営地大街の近くにある路地の一つで、帝室の血を引く名家・趙家と縁が深い「趙家巷」(Travessa da Porta)。路地に面した趙家の邸宅跡「趙家大屋」はマカオ政府文化局が修復を予定しているようで、数年もたてば観光地としてオープンするかもしれない。一方で…
レトロな路地、通称レト路地(造語)が大好きなんですが、マカオのキングオブレト路地として広くお勧めしたいのがこの「福榮里」。セナド広場のちょっと西、グルメストリートの福隆新街のすぐ近くにある小さな住宅地だ。 自分が考えている考える良いレト路地…
マカオ半島の中西部には「果欄街」という通りがある。「欄」というのは卸売店のことで、かつては海岸だったこの周辺には、東南アジアや中国本土から運ばれてきた果物を扱う卸売店(果欄)が昔から集まっている。今回はこの「果欄街」と、かつての目抜き通り…
「マカオ発祥の地」というと媽閣廟を思い浮かべる人が多いと思う。「Macao」の名前の由来であることや、廟とその周りの集落はポルトガル人の来航以前から存在していたのでそれも間違いない。一方で旧ポルトガル植民地としてのマカオの街は、実はここ「營地大…
下環はマカオ半島南西部の海沿いにあるエリア。媽閣廟の北にあるが、廟から歩いて北上する場合も見どころはリラウ広場、ペンニャの丘など東側のルートの方が多いので、あまり足を運ぶ機会がないかもしれない。一言で説明するなら歴史の古い商店街というとこ…
セナド広場から新馬路を渡り、Y字路を先に進んでいくと古風な二階家が並ぶ坂道に出る。かつての遊郭をリノベーションした美食の街・「福隆新街」である。ところどころ漆喰のはげた、青煉瓦の建物は清末19世紀のもの。ずらりと並んだ格子窓は、ちょっと前まで…